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特集 原発性硬化性胆管炎と自己免疫性膵炎の最前線
高齢者の原発性硬化性胆管炎は存在するか?
Is Primary Sclerosing Cholangitis in Elder People an Independent Clinical Entity?
田中 篤
1
,
滝川 一
1
Atsushi TANAKA
1
,
Hajime TAKIKAWA
1
1帝京大学医学部内科
1Department of Medicine,Teikyo University School of Medicine
キーワード:
原発性硬化性胆管炎
,
自己免疫性膵炎
,
炎症性腸疾患
,
IgG4関連自己免疫疾患
Keyword:
原発性硬化性胆管炎
,
自己免疫性膵炎
,
炎症性腸疾患
,
IgG4関連自己免疫疾患
pp.335-338
発行日 2005年5月15日
Published Date 2005/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1427100097
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要旨 われわれは,1995年,および2003年と,過去2回原発性硬化性胆管炎(primary sclerosing cholangitis;PSC)に関する本邦での実態調査を行った.その結果,本邦におけるPSC患者の年齢構成では若年・高齢の2つのピークがみられ,若年層では炎症性腸疾患の合併が多く,高齢者ではAIPの合併例が多いことが確認された.50~60歳代にみられるピークは,それを構成するPSC患者群からAIP合併例を除いてもなお,明らかに際立っていた.したがって,本邦におけるPSCには“50~60歳台に好発し,AIPを合併する・あるいは合併しないPSC”という,膵管から肝外胆管に狭窄を来たす症候群が存在することが想定される.この群はステロイドに対する反応も良好で,諸外国でみられる通常のPSCとは異なる疾患概念である可能性がある.
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