特異な画像所見を呈し黄色肉芽腫性胆囊炎との鑑別を要した進行胆囊癌の1例

A Case of Advanced Gallbladder Cancer With Peculiar Imaging Findings Difficult to Differentiate from Xanthogranulomatous Cholecystitis

要旨　患者は53歳女性．持続する発熱と右上腹部痛を主訴に近医を受診し，急性胆囊炎の診断にて当院紹介となった．CT上，胆囊は緊満し底部から体部にかけて低吸収域を伴った著明な壁肥厚を認め，さらに肝床から肝内側区域にかけて多発性の膿瘍性病変を認めた．臨床的に下血症状も認めたため，大腸浸潤を伴う胆囊癌を強く疑ったが，黄色肉芽腫性胆囊炎の大腸穿破も否定できなかった．経皮経肝胆囊ドレナージを施行し胆囊炎症状の鎮静化を待った後，根治手術を施行した．術中所見では横行結腸および十二指腸への直接浸潤を伴う進行胆囊癌であり，結腸間膜リンパ節の術中迅速病理診断にて腺癌の確定診断を得た．

（消化器画像2005；7：393―399）