特集 胆囊ポリープ・腺筋腫症,胆囊良性疾患の診断と治療
7.黄色肉芽腫性胆囊炎の診断と病理
村上 圭吾
1
,
古川 徹
1
1東北大学大学院医学系研究科病態病理学分野
キーワード:
黄色肉芽腫性胆囊炎
,
癌
,
術前診断
,
術中迅速病理診断
,
病理組織
Keyword:
黄色肉芽腫性胆囊炎
,
癌
,
術前診断
,
術中迅速病理診断
,
病理組織
pp.654-658
発行日 2025年5月20日
Published Date 2025/5/20
DOI https://doi.org/10.19020/CG.0000003469
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黄色肉芽腫性胆囊炎は,線維性に肥厚した胆囊壁内に泡沫組織球を主体に,リンパ球,単球,形質細胞などの炎症細胞浸潤に加えて,異物型多核巨細胞と肉芽組織の形成が混在する慢性胆囊炎のまれな一型である.特徴的な肉眼・病理組織所見を示す黄色肉芽腫性胆囊炎の形成に大腸菌などの細菌感染の関与が示唆されている.肉芽組織が胆囊周囲臓器に進展・波及することが多いため,臨床的に進行胆囊癌との鑑別に苦慮する.術前診断が困難で術式変更が起こりうる症例においては術中迅速病理診断へ提出することも考慮する.黄色肉芽腫性胆囊炎に癌を合併することがあるため,病理診断においては適切な肉眼観察とガラス標本を多めに作製したうえでの詳細な組織学的検索を要する.

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