Japanese
English
臨床報告
胆囊炎に併存し診断に苦慮した肝炎症性偽腫瘍の1切除例
A case of an inflammatory pseudotumor of the liver with cholecystitis
辻 義彦
1
,
北野 育郎
1
,
澤田 勝寛
1
,
杉本 幸司
2
,
高橋 卓也
3
Yoshihiko TSUJI
1
1新須磨病院外科
2神戸赤十字病院放射線科
3島根大学医学部病理学講座
キーワード:
肝炎症性偽腫瘍
,
IgG4関連疾患
,
胆囊炎
,
肝切除
Keyword:
肝炎症性偽腫瘍
,
IgG4関連疾患
,
胆囊炎
,
肝切除
pp.1312-1316
発行日 2012年10月20日
Published Date 2012/10/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407104270
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要旨
症例は66歳,男性.弛張熱と上腹部痛を主訴に入院した.腹部超音波,CT,MRI検査にて胆囊頸部の壁肥厚とともに,肝S4に18mm径の境界明瞭で内部不均一な腫瘤影を認めた.抗菌薬投与でも症状改善が得られないため,準緊急で胆囊摘出術ならびに肝切除術を施行した.病理組織学的には肝腫瘤内に悪性所見はなく,多核巨細胞や形質細胞を含む炎症細胞浸潤を認めた.免疫組織染色ではIgG4陽性形質細胞が高頻度に出現しており,fibrohistiocytic typeのIgG4関連肝炎症性偽腫瘍である可能性が示唆された.術後は特に問題なく経過し,術後8か月目の現在,外来通院中である.
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