連載 臨床で役立つ末梢神経病理の読み方・考え方・8
MAG抗体陽性ニューロパチー
佐藤 亮太
1
,
神田 隆
1
1山口大学大学院医学系研究科臨床神経学
pp.1315-1319
発行日 2019年11月1日
Published Date 2019/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1416201444
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
はじめに
M蛋白血症は,異常に増殖した形質細胞,あるいはB細胞から免疫グロブリンやその構成成分が単クローン性に産生分泌された状態である。加齢に伴ってM蛋白血症の有病率は高くなり,健常高齢者の数%にM蛋白血症が確認される。M蛋白血症をきたす代表的な疾患は多発性骨髄腫やAL(amyloid light-chain)アミロイドーシスがあるが,M蛋白血症患者の中に髄鞘蛋白であるミエリン随伴性糖蛋白質(myelin-associated glycoprotein:MAG)に対する自己抗体を保有している一群が存在する。MAG抗体を実験動物に受動免疫させるとニューロパチーをきたすことが確認されており,MAG抗体はニューロパチーの原因であることが証明されている。連載第8回となる今回は,MAG抗体陽性ニューロパチーに特徴的な腓腹神経病理所見を提示する。
Copyright © 2019, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.