連載 臨床で役立つ末梢神経病理の読み方・考え方・5
アミロイドーシスとニューロパチー
佐藤 亮太
1
,
神田 隆
1
1山口大学大学院医学系研究科臨床神経学
pp.915-920
発行日 2019年8月1日
Published Date 2019/8/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1416201375
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はじめに
不溶性蛋白であるアミロイドがさまざまな臓器に沈着して臓器障害をきたす疾患群をアミロイドーシスと言う。アミロイドーシスはアミロイドを構成する前駆蛋白によって分類されている。末梢神経障害をきたすアミロイドーシスは遺伝性ATTRアミロイドーシス[旧称:家族性アミロイドポリニューロパチー(familial amyloid polyneuropathy:FAP)]と免疫グロブリン性アミロイドーシス(旧称:ALアミロイドーシス)の2疾患が代表的である。両疾患とも両下肢に痛みを伴うジンジン感やピリピリ感を主徴とすることが多い。腓腹神経生検病理では,沈着したアミロイドがコンゴー赤染色で橙赤色に染まり,電子顕微鏡で8〜15nmのアミロイド細線維の錯綜構造が観察される。神経線維は無髄神経線維の脱落が著明で,有髄線維は小径線維優位に脱落し,神経線維の再生所見が極めて乏しいことが特徴である1)。
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