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2017年6月4〜8日,カナダのバンクーバーで,4,300人の参加者を集めて,第21回国際パーキンソン病・運動障害学会(21st International Congress of Parkinson's Disease and Movement Disorders:MDS 2017)が開催されました(写真1)。同名の学会(MDS)が毎年主催する学術集会で,パーキンソン病をはじめとする運動障害をテーマに,基礎から臨床を包括する発表と議論が繰り広げられます。私の本学会への参加は3回目で,2014年(ストックホルム)はシンポジスト,2015年(サンディエゴ)はplenary speaker,そして今回は再びシンポジストとして講演することになりました。
バンクーバーを訪れるのは2回目で,前回は国際前頭側頭型認知症学会(ICFTD)での講演が目的でした。バンクーバーの特徴は,洗練された文化と大自然が近接していることですが,学術的にはブリティッシュ・コロンビア大学(UBC)の存在が光彩を放っています。今回の学会のco-chairであるUBCのA. Jon Stoessl教授とは,われわれのグループの研究者である篠遠 仁先生が1992年にUBCへ留学したとき以来の交流があり,グループとしてもしばしば情報交換を行ってきました。われわれが2013年に,生体脳のタウ蛋白沈着をポジトロン断層撮影(PET)で可視化する新技術を確立した際に,いち早くこの技術に注目してくれたのもJonでした。当時,私がサンフランシスコの学会に出ることを聞きつけて,Jonはバンクーバーからサンフランシスコの空港へ文字どおり飛んで来てくれました。そして空港脇のホテルで,タウPET技術をUBCに移転する協議を終えるや否や,バンクーバーへと引き返して行きました。その熱意に感銘を受けたことを,今でも鮮明に覚えています。
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