学会印象記
Conscious Experience of Time: Its Significance and Interpretation in Neuroscience and Philosophy(2014年9月30日〜10月2日,ベルリン)
四本 裕子
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1東京大学大学院総合文化研究科
pp.118-119
発行日 2015年1月1日
Published Date 2015/1/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1416200097
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2014年9月30日から10月2日まで,ドイツのベルリンにキャンパスを構えるフンボルト大学Berlin School of Mind and Brainにて(写真1),Conscious Experience of Time: Its Significance and Interpretation in Neuroscience and Philosophyシンポジウムが開催された。直訳すると「時間の意識的経験」に関するシンポジウムということになるが,時間知覚のメカニズムをもとに意識の基盤について議論することを目的とした内容であった。
フンボルト大学は,1810年に設立されたベルリンで最も古い歴史を持つ大学で,アインシュタイン,ヘルムホルツ,マックス・プランクもここで研究に励んだ時代があるらしい。日本からは,北里柴三郎,肥沼信次,森 鴎外などが留学したことでも知られている。設立当初から,哲学者のフィヒテやシュライアマハーの影響を強く受けていたこともあり,現在も,フンボルト大学の哲学科はドイツ最大の規模を誇っている。主催のBerlin School of Mind and Brainにも,哲学者と神経科学者が混在している。今回のシンポジウムは,哲学と神経科学が交互にスケジュールされており,それぞれを専門とする研究者たちが同一セッション内で議論するという,フンボルト大学ならではの企画であった。
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