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連載 神経学を作った100冊(90)
シェリントン『神経系の統合作用』(1906,1947)
One Hundred Books which Built up Neurology (90)-Charles Scott Sherrington: "The Integrative Action of the Nervous System"(1906, 1947)
作田 学
1
Manabu Sakuta
1
1日本赤十字社医療センター神経内科
1Department of Neurology, Japanese Red Cross Medical Center
pp.712-713
発行日 2014年6月1日
Published Date 2014/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1416101825
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シェリントン(Charles Scott Sherrington;1857-1952)はロンドンの医師の家に生まれた。幼い頃に父が亡くなり,やはり医師の継父によって育てられた。ケンブリッジ大学に入学する前にヨハネス・ミュラーの『生理学要綱(Elements of Physiology)』(1838,1842;本連載第2回で紹介)を精読していたという。1885年にケンブリッジ大学から医学博士の学位を受け,欧州旅行をした。このときにベルリンのウィルヒョウ(Rudolf Ludwig Carl Virchow;1821-1902)の下で研究を行い,1887年に聖トーマス病院医学校の生理学講師に任ぜられた1)。
1891年にロンドン大学のブラウン研究所の所長に指名されたが,ここは動物の研究所でもあり,多数の動物に接することになった。1894年に筋紡錘が感覚器官であり,骨格筋の収縮状態を神経系に知らせているという重要な論文を書いた。この年に英国学士院はクルーニアン記念講演の演者にマドリッドのラモニ-カハール(Santiago Ramón y Cajal;1852-1934)を招聘したが,シェリントンは彼を自宅へ招き歓待を尽くした1)。
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