増刊号 Common Drugs 350の投与戦略
消化器疾患治療薬
肝疾患治療薬
イントロンA(シェリング・プラウ—山之内)
高取 正雄
1
,
岩渕 省吾
1
1聖マリアンナ医科大学第2内科
pp.155-157
発行日 1996年11月30日
Published Date 1996/11/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402905500
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臨床薬理
●作用機序:本剤は白血球由来のインターフェロン(IFN)αの遺伝子組み換え型(α2b型)であり,抗腫瘍,抗ウイルス作用を目的として1981年に米国で開発された.肝疾患ではもっぱら抗ウイルス,免疫賦活作用が期待され,わが国では1989年にB型慢性肝炎,1992年にはC型慢性肝炎が効能追加されている.IFNはウイルスを直接不活化するのではなく,細胞の抗ウイルス作用を誘導しウイルス増殖を抑制する.IFNが受容体に結合すると,細胞内に2’−5’オリゴアデニールシンテターゼ(2-5AS),プロテインキナーゼ,ホスホジエステラーゼの3種類の酵素系が誘導される.2-5ASはウイルスのmRNAを分解し,ホスホ」ジエステラーゼは細胞内の2-5ASの濃度調節と同時にt-RNAの機能を失わせる.プロテインキナーゼは,ウイルス二重鎖RNAの存在下でウイルス蛋白の翻訳を抑制する.
●血中濃度モニタリング:抗ウイルス活性の指標としては,IFNの血中濃度よりも血中2-5 AS活性ないしウイルス量(HBV DNA,HCV RNAなど)が測定され,一般的には血中濃度測定の必要性はない.
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