増刊号 Common Drugs 350の投与戦略
呼吸器疾患治療薬
ステロイド薬
ベコタイド(グラクソ)=アルデシン(シェリング・プラウ)
馬島 徹
1
1日本大学医学部第1内科
pp.259
発行日 1996年11月30日
Published Date 1996/11/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402905580
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臨床薬理
●作用機序:吸入ステロイド薬のbeclometha-sone dipropionate(BDP)は,血管収縮作用でみた局所の抗炎症作用はコーチゾールの5,000倍といわれている.気道上皮に対する抗炎症作用がみられる.血中吸収されたものは肝臓で速やかに代謝され,ステロイド活性の弱いbeclomethasonemonopropionateとなり,胆汁・尿中に排泄される.全身への影響は他のステロイド薬に比べ少ない.投与前に血漿ハイドロコーチゾン値およびACTHに対する反応性が低下していた全身性ステロイド薬依存の喘息患者で,BDP投与により全身性ステロイド薬の減量・離脱が可能となり,下垂体・副腎皮質系機能の回復が認められた.
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