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連載 神経学を作った100冊(79)
スチュアート『神経疾患の診断』(1906)
One Hundred Books which Built up Neurology (79)-James Purves Stewart: "The Diagnosis of Nervous Diseases" (1906)
作田 学
1
Manabu Sakuta
1
1日本赤十字社医療センター神経内科
1Department of Neurology, Japanese Red Cross Medical Center
pp.902-903
発行日 2013年7月1日
Published Date 2013/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1416101556
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スチュアート(James Purves Stewart:1869-1949)は英国の神経学者である。その大部分をウェストミンスター病院で過ごした。彼の講義の風景は一風変わっていたという。住み込み医師が彼のハンマーを捧げ持ち,それに続いてノートを取る秘書,他の器具が入った鞄を運転手が持ち,そして彼が入ってくるのがいつもの光景であった。また彼は魅力的な演出でさまざまなデモンストレーションを行ったという1)。1926年には英国王立医学会(the Royal Society of Medicine)の会長をしていた。
1901年にフランスのデジュリーヌが『神経症候学』の初版を上梓してから,神経診断学の教科書が出版される機運が生じた。スチュアートの『神経疾患の診断』は1906年に初版が出てから,その後1945年(第9版)まで刊行され,息の長い著書になった。筆者はこのうち,第4,6,9版と,仏訳された第8版を所有している2)。その特徴の最たるものは,豊富な図や写真を用いた解説である。1916年の第4版でみると,神経系のルーチンの検査法として,以下のような項目が挙げられている。
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