学会印象記
International Psychogeriatric Association 16th International Congress(2013年10月1~4日,ソウル)
飯干 紀代子
1
1志學館大学人間関係学部心理臨床学科
pp.190-191
発行日 2014年2月1日
Published Date 2014/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1416101722
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『Nature』誌の2010年新年号の巻頭言に“A decade for psychiatric disorders(精神疾患のための10年)”が掲げられ,科学が精神疾患の診断と治療に果たす役割の重要性と可能性が明示されたのは記憶に新しい。一方,高齢化の波は,日本を筆頭とする先進国のみならず開発途上国にも及び,世界保健機関(WHO)の予測値では,2050年には世界の60歳以上の人口が20億を超えるとされる。WHOは2012年4月1日世界保健デーのテーマに「高齢化と健康」を取り上げ,国連人口基金(UNFPA)は同年10月に「21世紀の高齢化:祝福すべき成果と直面する課題」を報告している。
International Psychogeriatric Association;International Congress(IPA;国際老年精神医学会)は,世界が喫緊に解決すべき2つの大きな課題,「精神疾患」と「高齢化」に正面から取り組んでいる学会の1つといえよう。学会の構成員が精神科医,神経心理士,臨床心理士,作業療法士,看護師,福祉関連職など多岐にわたるのも本学会の特徴であり,例年,実践的な情報交換と議論が繰り広げられる。
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