Japanese
English
Neurological CPC
左側の失行とパーキンソニズムを認め,経過6年で寝たきりとなった84歳男性
A 84-year-old Man with Apraxia and Parkinsonism on His Left Side,who Became Bedridden for 6 Years
高梨 雅史
1
,
舟邉 さやか
1
,
村山 繁雄
2
,
横地 正之
3
,
河村 満
4
,
後藤 淳
5
,
織茂 智之
6
,
福田 隆浩
7
,
藤ヶ崎 純子
7
,
鈴木 正彦
8
Masashi Takanashi
1
,
Sayaka Funabe
1
,
Shigeo Murayama
2
,
Masayuki Yokochi
3
1順天堂大学医学部脳神経内科
2東京都健康長寿医療センター高齢者ブレインバンク
3荏原病院神経内科
4昭和大学医学部内科学講座神経内科学部門
5稲城市立病院神経内科
6関東中央病院神経内科
7東京慈恵会医科大学神経病理
8東京慈恵会医科大学青戸病院神経内科
pp.901-908
発行日 2011年8月1日
Published Date 2011/8/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1416100983
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症例呈示
司会 (横地) それでは高梨先生から臨床の報告をお願いします。
主治医 (高梨) 症例は,死亡時年齢84歳の男性。既往歴は高血圧で内服加療。前立腺肥大があるが特に加療なし。家族歴なし。
現病歴は2001年76歳頃から,左上肢を使うときに力が入らないということを自覚。そのまま様子をみていたが,2002年9月に,風邪による発熱を契機に,急に左上肢の使いづらさが増悪したということで,A大学付属病院脳神経内科を緊急受診した。その際,診察上左上肢に明らかな麻痺,筋力低下はなかったが,動きは全体的に緩慢で,回内・回外運動や指タップがうまくできなかった。また,左手のみに固縮が軽度に認められた。歩行は,ややバランスが悪かったそうだが,明らかな失調性歩行や麻痺性歩行ではなかった。脳梗塞を疑って脳のMRIを撮ったが,明らかな急性期の脳梗塞は存在せず,左に比べてやや右側の側脳室体部が大きいという所見のみであった。
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