Japanese
English
Neurological CPC・139
亜急性の経過で進行する認知症を呈し,広範な大脳白質病変を認めた84歳男性例
A 84-year Old Man with Progressive Dementia and Diffuse Leukoencephalopathy Caused of Central Nervous System Lymphoma
吉岡 雅之
1
,
福田 隆浩
2
,
青木 茂樹
3
,
後藤 淳
4
,
井上 聖啓
1
,
横地 正之
5
,
河村 満
6
,
織茂 智之
7
,
藤ヶ崎 純子
2
1東京慈恵会医科大学神経内科
2東京慈恵会医科大学神経病理
3東京大学医学部放射線科
4東京都済生会中央病院神経内科
5荏原病院神経内科
6昭和大学医学部神経内科
7関東中央病院神経内科
pp.1487-1496
発行日 2008年12月1日
Published Date 2008/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1416100403
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
司会 2題目は「亜急性に進行する認知症を呈し,広範な大脳白質病変を認めた84歳男性例」です。吉岡先生,よろしくお願いします。
症例呈示
主治医 症例は,84歳の男性で,主訴は「立てない」「様子がおかしい」ということでした。
もともと健康な方で,日常生活は自立していましたが,2007年の1月に,電車内で椅子から立ち上がることが困難になったということがありました。その後,歩行時のバランスが悪くなって杖歩行になり,料理中に眠ってしまって,鍋を焦がすことが何度かありました。同年3月,椅子から立ち上がれずに転倒したり,平地でも転倒することがありました。兄弟の名前を思い出せなくなり,もの忘れが進行しほぼ寝たきりとなって,この時点で,血液内科を再診受診されています。そのときのMMSE(mini-mental state examination)は22点でした。家人が言うには,目つきが別人のようになっていたそうです。4月頃から食事の摂取量が減って,長女に対し,突然暴言を吐くようになり,精査目的のための入院初日にも,入退院の窓口で興奮して暴言を吐くような状況でした。
Copyright © 2008, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.