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あとがき
河村 満
pp.812
発行日 2010年7月1日
Published Date 2010/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1416100730
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高齢化の社会現象を背景に認知症の問題は広くて,深いと思います。本誌2009年11月号の増大特集のテーマが「前頭側頭葉変性症」であったのを受けて,今回は「アルツハイマー病」を扱いました。『BRAIN and NERVE』が合併誌として生まれ変わる前に『神経研究の進歩』であった最後の頃にもアルツハイマー病の特集があり,好評でした(2005年,49巻3号)。また,神経学に関係するほとんどの雑誌で,繰り返しアルツハイマー病の特集が組まれ,アルツハイマー病をさまざまな角度から扱った単行本も出版されています。本特集の組み立ては,概論から始まり,疫学,病因,症候,診断法,治療・ケアと総合的でオーソドックスなものです。既に他誌で何回も話題に上り,論文が書かれている内容も自由に取り上げました。アルツハイマー病研究が日進月歩で,新規の話題はいくらでもある,と考えたからです。一方,概論や疫学内容はもしかしたら新規性のある内容提示は困難かもしれませんが,病気の原点に戻る姿勢はいつも大切なので,重点項目と認識して企画いたしました。
また,副題は「研究と診療の進歩」としました。『神経研究の進歩』誌の特集では,研究面でのトピックスが多く取り上げられていたので,今回はどちらかというと診療面についてのテーマを重視したいという意図からです。
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