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あとがき
河村 満
pp.92
発行日 2014年1月1日
Published Date 2014/1/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1416101706
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明けましておめでとうございます。
ちょうど100年前,ノーベル医学生理学賞は,バラニーの前庭系研究に対して贈られました。デールによってアセチルコリンが発見されたのも1914年です。デジュリヌの名著『神経症候学』が出版されたのもこの年です。DNAの二重らせん構造の発見でワトソンらがノーベル医学生理学賞を受賞したのが1962年ですので,それより半世紀前に読み書き中枢を明示したデジュリヌの功績はノーベル賞級の仕事であることは間違いありません。デジュリヌの教科書には,彼の代表的業績の1つである,失読失書症例(1881年),純粋失読症例(1882年)が掲載されています。たった2症例の症候学的検討から,現在でも信じられている「読み書き機能-大脳部位」連関が明示されているのは,まったくもって驚きです。
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