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あとがき
河村 満
pp.1416
発行日 2014年11月1日
Published Date 2014/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1416200052
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神経症候学は神経学の基本であり,“魂”ともいえると思います。
私は,横浜市立大学の学生のときに平山惠造先生の『神経症候学』を読み,神経内科医になりたいと思いました。ぼろぼろになった『神経症候学』第1版を病院でいつも使っているパソコンのそばの本棚にそっと置いています。元気がなくなりそうになったときには,この本を眺めることにしています。この本を見ると不思議なことに,若いときの気持ちを思い出すことができ,気分が変わります。専門医試験に合格した頃,自分の専門領域として神経心理学を選びました。ちょうどその頃,新規の画像診断法が次々に世に出ました。神経内科医として神経心理学にアプローチするためには「大脳病変の神経症候学」が必要であると考えました。現在でもこのアプローチが神経心理学研究に必須の手法であると考えています。これらが,私が神経症候学にとりわけ強い思い入れを持つ個人的理由であると思います。
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