Japanese
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連載 神経学を作った100冊(34)
ジョン・ブラウン『筋肉学』(1681)
One Hundred Books which Built up Neurology (34)-John Browne "A Compleat Treatise of the Muscles" (1681)
作田 学
1
1日本赤十字社医療センター神経内科
1Department of Neurology,Japanese Red Cross Medical Center
pp.1192-1193
発行日 2009年10月1日
Published Date 2009/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1416100576
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ジョン・ブラウン(John Browne)はイギリスの医師で,1685年に肝硬変について記述したことで知られている(Fig.1)。
17世紀のイギリスではヨーマン(独立自営農民)やジェントリ(郷紳)が市民階級を形成し,議会に進出していた。ジェームス1世とその息子チャールズ1世は議会を軽視し,ピューリタンを弾圧。議会は王党派と議会派に分かれて内乱状態になった。クロムウェルが王党派を破り国王を処刑し,ピューリタン革命を成し遂げた。その死後,1660年に長老派が王党派と組んで前王の子チャールズ2世を迎え,王政に復古した。1688年に名誉革命(無血革命)が起こって権利章典が制定されるが,その少し前に出版されたのがこの書物である。したがって,本書はチャールズ2世に捧げられている。
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