学会印象記
今後の五十年へ―第50回日本神経病理学会総会学術研究会,日本神経病理学会50周年記念事業
小栁 清光
1,2,3
1第50回日本神経病理学会総会学術研究会
2日本神経病理学会50周年記念事業実行委員会
3東京都神経科学総合研究所運動・感覚システム研究分野
pp.1190-1191
発行日 2009年10月1日
Published Date 2009/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1416100573
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日本神経病理学会は,2009年6月4~6日に香川県高松市サンポートホール高松およびかがわ国際会議場において,第50回総会学術研究会と50周年記念事業とを行った。これらは「神経病理学会の裾野を広げ,神経病理学の更なる発展を図る」ことを願って,これまで神経病理学会活動が比較的希薄であったと思われる四国の高松で開催されたものである。
神経病理学の種を蒔きたい,との願いの1つとして「技術・教育セミナー:これから神経病理に携わる人のために」を行った。これには四国のみならず全国から140名あまりが参加され,「解剖法と脳の切り出し(発表:橋本智代)」「ブレインバンクの稼働の実情と活用について(村山繁雄ら)」「バーチャルスライド時代の病理(宇於崎宏)」「脳の標準的な染色法と見方(小森隆司)」「脳・脊髄の迅速診断をどう進めるか(平戸純子ら)」「診断のための免疫組織化学(山田光則)」「脳・脊髄の感染症の診断について(新宅雅幸)」「筋・神経生検:実施から診断まで(松原四郎)」「電顕が必要な時―脳腫瘍の診断(廣瀬隆則)」「病理検体を用いた遺伝子解析(田中伸哉)」の10テーマで行った。内容は,神経病理の基本から研究活動にもつながることがらであり,極めて好評であった。経年の開催を求める声も多く,神経病理学的検索を行う施設と人員が増えることが期待される(写真1)。
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