書評
「脳脊髄のMRI 第2版」―細矢貴亮,宮坂和男,佐々木真理,百島祐貴●編
内山 真一郎
1
1東京女子医科大学神経内科学講座
pp.1142
発行日 2009年10月1日
Published Date 2009/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1416100577
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細矢先生が序文に書かれているように,10年ぶりに山口昂一先生と宮坂和男先生が編集された名著を全面改定されるにはさぞかし大変な労力を要したであろうことは想像に難くない。それくらい本書には豊富な内容がコンパクトに凝縮されており,多くの代表的な画像と,その読影に必要な基礎知識が詰め込まれているが,それらが極めて系統的に整理されており,全体のスタイルが統一されているので,とても読みやすい。
画像診断技術の進歩は目覚ましく,従来は捉えることができなかった微細な構造まで可視化できるようになったが,読影技術がなければ重要な病変を見逃してしまうことになり,読影技術を培うには読影訓練が必要である。そのための教科書として本書は神経内科,脳神経外科,放射線科の専門医のみならず,これから専門医を目指す諸君,さらには医学生に至るまで幅広い読者に有用性を発揮するであろう。最新の知識がわかりやすく,教育的に述べられており,ビジュアルにも見事な出来栄えに仕上がっている。宮坂先生に加えて,現在わが国において,この分野で最も目覚ましく活躍されている細矢,佐々木,百島の3先生の編集能力には改めて敬意を表する次第である。
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