連載 臨床医のためのワンテーマ腫瘍病理[6]
ブラウン・オンコロジスト達への警鐘
市原 真
1
1札幌厚生病院病理診断科
pp.314-315
発行日 2017年7月15日
Published Date 2017/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1430200199
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がん診療において、さまざまな遺伝子検索が行なわれる時代となりました。大腸がんの、RAS遺伝子の変異解析。乳がんの、ER(エストロゲンレセプター)、PgR(プロゲステロンレセプター)、HER2/neu免疫染色のスコアと、Ki-67の陽性細胞数インデックス。そして肺がんにおける、EGFRの変異解析、染色体異常EML4-ALKに関連する抗ALK免疫染色、FISHキメラ蛋白解析、ROS1遺伝子変異、RET遺伝子変異の解析。さらには神経内分泌腫瘍における、SSTR(ソマトスタチンレセプター)のサブタイプ発現解析……。書いているだけでつらくなってきます。腫瘍内科の皆さまも大変です。
このなかで、私のような常勤病理医が「自ら」携わる検査はどれか。免疫染色が分水嶺となります。現状では、ER、PgR、Ki-67、HER2の評価がメインで、そのほかの遺伝子変異解析やキメラ染色体解析は、コマーシャルラボへの外注に頼っている状態です。
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