症候群・徴候・34
Brown-Séquard (ブラウン・セカール)症候群
平山 恵造
1
1順大脳神経内科
pp.420
発行日 1975年4月1日
Published Date 1975/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1406203695
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脊髄半側切断を行なつた動物実験の結果について1849年から1850年にかけてBrown-Séquard (仏)が数回にわたつて一連の報告を行なつた。その主要所見は半切した側と反対側の後肢において知覚が誠弱・消失し,同側ではほとんど健全か,一時的に過敏になるという点にあつた。すなわち知覚路は脊髄レベルで交叉することを示すことが彼の意図したところである。その知覚がいかなる種類のものであるかは記されなかつたが,最後の論文の文末に到つてようやく数種類の刺激法が記されている。それらはすべて温痛覚に関するものであつた。その一連の報告の中で同側の後肢に不全麻輝の生ずることが僅かに触れられている。
ヒトに関する脊髄半側切断症候群を詳細に記したのは,実際上Deje—rine (仏)によるとみてよかろう。すなわち彼はその有名な「神経系疾患症候学」(1914)の中で,およそ次のように指摘している。
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