海外文献紹介
インクレチン関連薬はスルホニル尿素薬と比べて膵癌のリスクを上昇させない?
廿樂 麗香
1
,
中神 朋子
1
1東京女子医科大学糖尿病センター
pp.550-551
発行日 2016年7月15日
Published Date 2016/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1415200462
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インクレチン関連薬(DPP-4阻害薬,GLP-1受容体作動薬)は低血糖のリスクが少なく,体重増加をきたしにくいといわれています.一方で,2011年に,米国食品医薬品局のデータベースを利用した解析で,エキセナチドとシタグリプチンの2剤がその他の経口血糖降下薬〔ロシグリタゾン,ナテグリニド,レパグリニド,グリピジド(スルホニル尿素(SU)薬)〕に比較し,それぞれ2.9倍,2.7倍の膵癌発症があったという報告が発表されました.以来,インクレチン関連薬が膵癌に及ぼす影響への関心が高まっており,その後さまざまな研究報告はありますが,一貫した結論は得られていません.そこで今回は,2型糖尿病患者において,SU薬と比較してインクレチン関連薬が膵癌のリスクを上昇させるのかを大規模コホートにて検討した論文をご紹介します.
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