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特集 臨床医のための実践的食事療法
Ⅱ.食事療法の応用
カーボカウント法の実際
Practical method of carbohydrate counting
箱田 知美
1
1日本鋼管福山病院 内科
キーワード:
①食事療法
,
②カーボカウント法
Keyword:
①食事療法
,
②カーボカウント法
pp.309-314
発行日 2010年5月15日
Published Date 2010/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1415101059
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カーボカウント法ってどんなもの?
カーボカウント法は糖尿病の食事療法のひとつであり,血糖値を適正範囲に保つため,食事中のカーボ(Carbohydrateすなわち炭水化物)量に注目するという考えに基づいている1).これまで,糖尿病の食事療法は,食品交換表2)に基づいた摂取エネルギーを意識した指導が主体となっていた.指示エネルギーのなかでバランスよく食品を選び調理するという,糖尿病だけに限らず,ほぼすべての人に勧められる健康的な食事指導であった.糖尿病の食事療法は,それに加え血糖値を上手く制御することが求められる.とくに内因性インスリン分泌がほぼ枯渇している糖尿病患者の場合,血糖値の変動は大きい.当院においては,上手にインスリン治療を続けるひとつの方法としてカーボカウント法を患者に指導している.
Box 1に示すように,三大栄養素である炭水化物,蛋白質,脂質は,摂取すればすべて血糖値に影響する.しかし血糖値への影響の程度は,その割合と時間が異なっている.一般的なバランスの食事を考えると,エネルギー比で炭水化物60%,蛋白質15%,脂質25%くらいであるから,食後高血糖の原因となっているのは,主に炭水化物である.炭水化物の血糖値を上昇させる曲線は超速効型インスリンの効果曲線とほぼ同じである.この炭水化物による食後血糖上昇を上手にコントロールするため,食事中の炭水化物量をカウント(計算)し,それに見合った超速効型インスリンを使用するというのが,カーボカウント法の基本である.ここではインスリン強化療法で超速効型インスリンを使用している患者に実際行っている例を紹介する.
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