特集 Brush Up! CDE 症例から考える糖尿病療養指導
Ⅱ食事療法
カーボカウント法
北原 敦子
1
,
石田 均
2
1杏林大学医学部 糖尿病・内分泌・代謝研究室
2杏林大学医学部 糖尿病・内分泌・代謝内科
キーワード:
①基礎カーボカウント
,
②応用カーボカウント
,
③食品交換表
,
④糖質量
,
⑤1型糖尿病
Keyword:
①基礎カーボカウント
,
②応用カーボカウント
,
③食品交換表
,
④糖質量
,
⑤1型糖尿病
pp.199-203
発行日 2012年3月31日
Published Date 2012/3/31
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1415101331
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症例 21歳 女性 大学生 1型糖尿病
身長165cm,体重55.0kg,BMI 20.2kg/m2.
14歳発症の1型糖尿病で,発症後は,超速効型インスリン(朝6-8単位,昼4-6単位,夕6-8単位),および持効型インスリン(6単位)をベースにコントロールをしている.
医師の指示による1,800kcal/日の食事療法を心がけているものの,HbA1c(JDS値)8.0~9.0%で経過.朝食は6枚切りのパン1枚とコーヒー.時間がないときは,食べないこともある.昼食は大学の食堂で食べるが,おにぎりとサンドイッチ,うどんとご飯など炭水化物中心の食事が多い.夕食は,アルバイトの日は不規則で,夜遅く食べてすぐに就寝することが多い.最近の悩みは,月経前の高温期の高血糖で,基礎インスリンを1~2単位増やしても,血糖値はなかなか下がらず,また女性ホルモンの影響なのか,甘いものが無性に食べたくなり,満足するまで食べてしまう.ますます血糖コントロールが乱れ,血糖が安定しないことによるいらだちと自分の意思の弱さを責め,それがまたストレスになっている.
友人との外食や飲み会も,健常人の友人と同じように食べたいのに,我慢ばかりの生活に疲れたとの訴えから,医師より個人の食習慣に応じたカーボカウント法による食事管理へ変更することになった.
初回での食事指導から見た症例の問題点
①カロリー重視型(1食600kcalを心がけているが,バランスが悪い)
②不規則な食事(特に夕食)
③月経前症候群(甘いものが無性に食べたくなる)
④外食や間食の対処の方法
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