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Updates 2004
高齢者糖尿病の管理の視点―高齢者糖尿病の管理では,包括的管理,QOLへの配慮が重要である
Viewpoint for the management of diabetes mellitus in the elderly
井藤 英喜
1
1東京都多摩老人医療センター
pp.75-80
発行日 2004年1月15日
Published Date 2004/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1415100121
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高齢者糖尿病の管理では,生活機能障害の発生を防ぎ,QOLの維持・向上をはかることが重要
高齢者では糖尿病の頻度が増加する.糖尿病は,糖尿病性細小血管症や動脈硬化性血管障害などが多発する疾患である.これらの合併症は死因となるばかりでなく,種々の生活機能障害をもたらす.高齢期では,糖尿病合併症の合併率が高く,それに加えて他疾患の併発,老化などの要因が加わるため,生活機能障害をもつ症例の頻度はさらに高くなる.また,高齢者糖尿病では,身体的のみならず精神・心理的あるいは社会・家族的背景に種々の問題を持つ頻度も高い.これらの結果,高齢者糖尿病のQOLは低くなることが多い.
高齢者の医療においては,単に疾患の治療のみが重要なのではなく,QOLの維持向上をはかるために,われわれは何ができるのかを考えることが重要である.
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