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第5土曜特集 超高齢社会を支える医学・医療の提案
高齢者疾患の包括的管理
高齢者糖尿病の管理
-――認知機能とADLの評価に基づいたカテゴリー分類による包括的治療
Management of diabetes mellitus in the elderly
――Comprehensive treatment with categorization based on assessment of cognitive function and ADL
荒木 厚
1
Atsushi ARAKI
1
1東京都健康長寿医療センター糖尿病・代謝・内分泌内科
キーワード:
高齢者糖尿病
,
認知症
,
ADL
,
フレイル
,
認知・生活機能質問票(DASC-8)
,
包括的治療
Keyword:
高齢者糖尿病
,
認知症
,
ADL
,
フレイル
,
認知・生活機能質問票(DASC-8)
,
包括的治療
pp.469-473
発行日 2021年10月30日
Published Date 2021/10/30
DOI https://doi.org/10.32118/ayu27905469
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高齢者糖尿病では認知機能障害,認知症,フレイル・サルコペニア,ADL低下をきたしやすい.認知症やフレイルの危険因子は高血糖,重症低血糖,血管性危険因子,低栄養,身体活動量低下など共通している.フレイル・サルコペニアを防ぐために食事療法では適正なエネルギー量の摂取や十分なタンパク質の摂取を行い,運動療法ではレジスタンス運動を含む運動を勧める.薬物療法では重症低血糖などの有害事象のリスクを軽減し,腎機能,心血管疾患リスク,アドヒアランス低下を考慮した治療を行う.認知機能やADLを評価する8問の質問票からなる認知・生活機能質問票(DASC-8)を用いると,高齢者糖尿病の血糖コントロール目標のカテゴリー分類を簡易に行うことができる.このカテゴリー分類は,高齢者総合機能評価の一環であり,治療方針の決定にも利用できる.カテゴリーⅡの段階からフレイル対策,治療の単純化,および社会参加の勧奨を行い,カテゴリーⅢでは減量,減薬などを考慮する.
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