特集 最新の糖尿病診療と今後の展開
糖尿病の病態とライフステージ
高齢者糖尿病
豊島 堅志
1
,
荒木 厚
1
1東京都健康長寿医療センター 糖尿病・代謝・内分泌内科
キーワード:
高齢者糖尿病
,
高齢者総合機能評価
,
DASC-8
,
地域包括支援センター
Keyword:
高齢者糖尿病
,
高齢者総合機能評価
,
DASC-8
,
地域包括支援センター
pp.1107-1111
発行日 2022年5月1日
Published Date 2022/5/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_naika129_1107
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Summary
▪高齢糖尿病患者の治療方針の決定に際し,高齢者総合機能評価が有用である.
▪治療目標(HbA1c)はADL,認知機能,併存疾患,機能障害に基づき,三つのカテゴリーに分類し,段階的にコントロール目標を緩和し,治療の単純化を検討する.このカテゴリー分類に有用なツールとして認知・生活機能質問表(DASC-8)がある.
▪高齢糖尿病患者では過度の肥満がなければ厳格なエネルギー制限よりも適正なエネルギー摂取と十分な蛋白質摂取が重要である.
▪運動療法では有酸素運動,レジスタンス運動,バランス運動を組み合わせた多要素の運動の有用性が報告されている.
▪治療方針は患者本人・家族の意思に基づき,予後やQOLを考慮し策定するが,その実施には多職種の連携や地域の社会資源の利用が有用である.
© Nankodo Co., Ltd., 2022