Brush Up! CDE―ワンランク上の糖尿病療養指導
Part 1 Brush Up! CDE
工夫とコツ
糖尿病患者会に対するチャレンジのすすめ
松尾 美穂
1
,
小谷 和彦
2
1東京医科大学八王子医療センター看護部
2鳥取大学医学部健康政策医学
pp.248-250
発行日 2006年2月15日
Published Date 2006/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1415100085
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Case
患者会への参加が血糖コントロールに奏功した高齢2型糖尿病患者
68歳,女性.
BMIは24.4である.10年くらい前から2型糖尿病の診断で通院中であった.食事・運動療法は自分なりに行ってきた.血糖コントロールが年毎に悪化し,SU薬を服用しているがその投薬量は増えつつある.HbA1Cは7.6%である.ある日,その患者さんの住む地域で患者会が発足する運びになり,通院先の担当医と看護師から会への参加を勧められた.勧められるままに参加したが,生活習慣管理の情報交換を他者としているうちに,パンにバターを塗り過ぎていることなどの日常の食生活の拙いところに自ら気づいて改善された.そのうち,地域内で一緒にウォーキングする仲間ができて運動習慣がついた.さらに,患者会で旅行に出かけたとき,嫁と姑の話に花が咲き,それからは自分がストレスに感じることは仲間うちで何でも話せるようになってきたという.通院先でも看護師に生活習慣に関する質問を積極的にするようになったり,様々なライフイベントについて話せたりするようになってきた.患者会に参加するようになってHbA1Cは7.0%を切るようになっている.患者さんの表情も明るくなった.
この事例から糖尿病患者会に対するチャレンジを考えてみたい.
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