特集 病院管理者としての女性
女性病院管理者からの提言
積極的にチャレンジしよう
青木 孝子
1
1公立富岡総合病院
pp.446-447
発行日 1996年5月1日
Published Date 1996/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541901802
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チャンスを生かして能力開発
私達ナースは,女性ばかりの学校そして職場を長い間経験するため,教師等のように卒業と同時に男性と伍して働く人と比べ,男女の差別を受けていると気づきにくい.初めてリーダーとなった時に他部門との関わりや会議の中で,自ら女性を意識することが多いのではなかろうか.私自身かつて総婦長として管理会議に出席する中で,ヒステリー集団の親分という名を当時の院長より拝名し,また小会議でトップをペチャンコにしたのでは,自分の意見が正しくとも通らないことも経験した.この男性中心の社会の中で,自らが思うことを組織に十分に伝え,看護職という女性大集団の意欲的活動につなげるにはどうしたらよいか大いに悩んだものである.
その中で学んだことは,人数の少ない会議の場合は男性を傷つけずに反対論を展開することであり,多人数の会議においては,科学的,理論的に説得することを体得したのである.しかし老練の先輩婦長に言われたこともある.「青木さんの論理は蟻のはい出す余地もない」「盗人にも三分の理ということがあるではないか,今のままだと反感を買いますよ」と.しかし弱冠30歳の総婦長としては,それ以上にはうまい方法は浮かばなかった.総婦長が1人で頑張っても,ヒステリー集団の汚名を返上するのは大変である.
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