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第1土曜特集 1型糖尿病――診療と研究の最前線
診療上の課題
糖尿病キャンプと患者会活動
-――心理社会的支援の重要性
Diabetes camp and psychosocial supports:Both matter
大澤 謙三
1
Kenso OSAWA
1
1医療法人社団大沢内科クリニック院長
キーワード:
サマーキャンプ
,
患者会
,
先進医療
,
チーム医療
,
地域医療連携
Keyword:
サマーキャンプ
,
患者会
,
先進医療
,
チーム医療
,
地域医療連携
pp.664-670
発行日 2022年5月7日
Published Date 2022/5/7
DOI https://doi.org/10.32118/ayu28106664
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米国で糖尿病キャンプが開催されてから約100年,わが国での初開催からは約60年がたった.2019年には全国48カ所で多様なキャンプが行われた.治療技術も情報通信技術も大きく進歩した今日,今後のキャンプの意義とあり方を再考する時期である.小児1型糖尿病は有病率が低く,患児とその家族は孤立して心理社会的にも苦しむことが多い.医療資源に恵まれていない地方ではインスリン持続皮下注入療法(CSII)や持続皮下グルコースモニター(CGM)などの先進医療へのアクセスも遅れがちとなる.キャンプで同病の友人や先輩,家族,そして理解ある熱心な医療スタッフと出会うことによって,不安が軽減し治療に前向きとなり,治療技術も向上する.先進治療についての情報・アクセスが得られ,患者会の誕生により患者・家族同士の支え合い,SNSを介した情報交換も促進される.小児科医と内科医の連携もでき,成人医療への移行も円滑に進む.キャンプを基盤とした “地域の1型糖尿病チーム医療” が可能となる.
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