プライマリ・ケア医のための「みみ・はな・のど」・9
いびきと睡眠時無呼吸症候群(閉塞型)―診断編
藤村 聡
1
,
伊藤 壽一
2
,
福井 次矢
1
1京都大学医学部附属病院総合診療部
2京都大学医学部附属病院耳鼻咽喉科
pp.770-772
発行日 2002年8月15日
Published Date 2002/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1414903598
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「いびきが気になり旅行に行けない」,「家内のいびきが大きくて寝られない」といったいびきの相談や,いびきが高じて「主人のいびきが就寝中何度も止まる,呼吸が止まっているのではないか」といった睡眠時無呼吸の相談は,プライマリ・ケアの外来でしばしば経験する.いびきはかつて快眠のシンボルといわれたこともあったが,実際は睡眠中の上気道の狭窄音であり,医学的には睡眠中の呼吸障害と定義される.また,実際にいびきをかく人の頻度は意外と高く,本邦の場合,成人男性の約20%前後,女性の5%前後と推定されている1).さらに,上気道の狭窄であるいびきにとどまらず,一時的な呼吸停止が生じる場合もある.「7時間の睡眠中に10秒以上の呼吸の停止が30回以上生じる場合や,同様の呼吸停止が1時間に5回以上生じる場合」を一般に,睡眠時無呼吸症候群と定義している.こうした習慣的にいびきをかく人の半数以上に,閉塞型の睡眠時無呼吸症候群がある.その中でも治療が必要な重症の睡眠時無呼吸患者の頻度は,欧米では総人口の1~2%と推定され,本邦でもそれに類似した頻度ではないかと考えられている1~3).本稿ではプライマリ・ケアの外来におけるいびき・睡眠時無呼吸に対する検査方法について述べる.
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