特別寄稿
睡眠時無呼吸症候群―気になる妊産婦のいびき
塩見 利明
1
,
薮下 廣光
2
1愛知医科大学睡眠医療センター
2愛知医科大学睡眠医療センター産婦人科
pp.816-820
発行日 2006年9月1日
Published Date 2006/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1665100404
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はじめに
女性のいびきは何が問題なのだろうか。1つの問題はベッドパートナーへの配慮としての心理的な点です。しかし,もう1つの問題は習慣性の大いびきが睡眠時無呼吸症候群(sleep apnea syndrome;SAS)の重要な他覚症状であるという点です。これまでSASは,中年の肥満者に多く,睡眠外来の受診者における男女比は6~8:1で男性に多いと言われてきました。
しかし,閉経後の更年期には体重増加を伴って女性のSAS患者が急増し,更年期以降にSASの合併はメタボリックシンドロームおよび冠動脈疾患の併発率を高めることが明らかとなっています。さらに最近,SASは多彩な臨床症状を呈することから多くの診療科でその合併が注目されつつあります(図1)。今回は,妊婦におけるSASの合併が問題となってきた経緯と,SASの正しい診断法・治療法の概要について紹介します。
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