地域・家庭医療学実践記・6
地域のニードが家庭医療の専門性を育む
涌波 満
1
1ファミリークリニックきたなかぐすく
pp.562
発行日 2002年6月15日
Published Date 2002/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1414903554
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クリニックの待合室に,地域の人たちに少しでもかかりつけ医やプライマリ・ケアの機能を紹介するという意味をこめ,同僚と私のプライマリ・ケア学会認定証を掲示してあります.開業して約1年半になりますが,患者さんから,「先生は何が専門なの」と尋ねられたことは,ただ一度しかありません.実は,認定証についてもう少し質問があるかなと期待はしていたのですが…….私に尋ねるのを遠慮されていることは考えられますが,事務員や看護師を含めて質問されたことはないようです.
詳しいデータはありませんが,われわれのクリニックで扱う臨床的問題も,言うまでもなく,多くのプライマリ・ケアの教科書に載っているとおり,上気道炎,高血圧症,腰痛症,変形性関節症,神経症・うつ病などの精神的な問題,外傷・捻挫などです.そうです,地域の方が診療所に期待するものは専門医療ではないのです.
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