JIM Report
21世紀の人口・食料問題と医療
藤村 聡
1
,
福井 次矢
1
,
高岸 壽美
2
,
越田 有香
3
1京都大学総合診療部
2日赤和歌山医療センター看護部
3滋賀保健研究センター
pp.54-55
発行日 2001年1月15日
Published Date 2001/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1414903168
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2000年12月9日号の朝日新聞で,20世紀初日の新聞記事の内容を紹介している.20世紀には,「7日間で世界一周できる」「運動と外科手術によって人の身長は6尺以上に達する」「サハラ砂漠は沃野に変わる」などの予測がされてあった.科学技術の進歩は予想を越え,当時の人が夢見たほとんどの技術が達成された.医療面でも,日本人男性は17歳男子の平均身長が約13cm伸び,世界一の長寿国となっている.
しかし,20世紀の初頭に,誰もが予想できなかったのは人口の爆発的な増加である.世界中の人口はこの100年間で約4倍に増加し約60億人,日本の人口も約1億2千万人になった.人口の増加は,食料の需給や医療の改善により「多産多死」から「多産少死」になると始まる.特に医療の発達により乳幼児の死亡率が低下した時,爆発的な人口増加が起こる.いったん発達した医療レベルは低下することがないので,家族計画(産児制限)が始まり,「少産少死」になってはじめて人口は一定化する.
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