JIM臨床画像コレクション
von Recklinghausen病に伴った小腸の神経線維腫
八木橋 国博
1
,
安田 晶信
1
,
今西 幸市
2
1湘南鎌倉総合病院放射線科
2湘南鎌倉総合病院消化器内科
pp.272
発行日 2000年3月15日
Published Date 2000/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1414902956
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von Recklinghausen病は,cafe-au-lait斑,神経線維腫および虹彩小結節を主徴とする常染色体優性の遺伝性疾患で,人口約3,000人に1人の頻度で認められる.
今回われわれは,繰り返す下血を契機に発見された,小腸に発生した神経線維腫を経験した.症例は56歳女性.23歳時に本症と診断され,約1年前より貧血を指摘され,今回症状の増悪を認めたため精査目的にて入院.小腸造影で,Treitz靱帯のやや肛側に約5cmにわたってapple-core様の狭窄があり,中央部は潰瘍形成が推定され,表面は結節状を呈していた(上図).小腸内視鏡では,内腔をほぼ塞ぐ隆起があり,表面は粗大顆粒状で易出血性であった(下左図).上腸間膜動脈造影では,腫瘍濃染が2箇所認められた(下右図).小腸内視鏡による生検の結果では神経線維腫と診断され,外科に転科となった.
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