研修医読本―臨床の秘伝・奥義を学ぶ・3
気管・気管支系疾患での注意点
池 修
1
1京都大学医学部附属病院呼吸器外科
pp.270-271
発行日 2000年3月15日
Published Date 2000/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1414902955
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教訓・鉄則
1)気管腫瘍による物理的な狭窄音と気管支喘息での喘鳴とが誤認されることがあります.気管支喘息の治療に反応しなければ気管支鏡,胸部CTが必要です.
2)気管挿管後や気管切開術後に気道狭窄がみられることがあります.気管挿管時にはカフの空気圧に留意し,カフによる気管粘膜圧迫での虚血から壊死に陥らないように注意が必要です.また,気管切開時に過剰に気管軟骨を切除すると肉芽が過形成され,抜管困難症となることがあるので注意する必要があります.
3)気道異物のうち小児ではピーナツに要注意です.X線が透過するため画像上は指摘困難なので,症状と臨床経過より異物が疑われれば速やかに気管支鏡を施行する必要があります.
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