JIM臨床画像コレクション
Fitz-Hugh-Curtis症候群
後藤 久貴
pp.710
発行日 1998年8月15日
Published Date 1998/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1414902537
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Fitz-Hugh-Curtis症候群は,Chlamydia trachomatisが子宮頸管から上行性に肝周囲に感染することにより,肝周囲炎を起こす症候群である.Chlamydia trachomatisによるsexually transmitted diseaseは近年増加傾向にあり,それに伴い本症も増加すると考えられ,腹痛の原因疾患としての本症に対する認識は重要となると考えられる.したがって,若年女性で上腹部痛を呈し,炎症所見以外に血液検査,画像検査などで明らかな異常を認めない患者をみた場合,本症を考慮する必要がある.
診断は急性期に抗クラミジア抗体価(IgA)の上昇を認め,抗生物質で炎症所見および臨床症状が改善した場合に疑診されていることが多いが,確定診断のためには腹腔鏡を行うことが望ましい.
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