JIM Report
医学生として学外実習で感じたこと
木村 琢磨
1
1東邦大学医学部6年
pp.344-346
発行日 1997年4月15日
Published Date 1997/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1414902139
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はじめに
東邦大学医学部では6年次に選択実習制度があり,私は大学で体験することのできない診療所,往診・在宅医療の実際を鈴木内科医院とライフケアシステムで,またターミナルケアを救世軍清瀬病院で実習する機会を得たので,その印象について述べてみたい.
鈴木内科医院は東京都大田区大森にあり,鈴木荘一先生は,午前は外来診療,午後は往診を実施されている.先生は1977年,朝日新聞紙上にわが国ではじめてホスピスを紹介された方で,実地医家の会や日本プライマリケア学会などでも活躍されている.
東京都千代田区三崎町に本部を置くライフケアシステムは,佐藤智先生を中心に1980年より在宅ケアや訪問看護を実施しており,わが国における在宅医療のパイオニアのお一人である.往診のほか,訪問看護,介護福祉士の派遣,電話相談などを行っており,入院治療が必要な場合には,提携病院に優先的に入院することができる.
東京都清瀬市にある救世軍清瀬病院ホスピスは,首都圏で最初の厚生省認定の緩和ケア病棟(ホスピス)である(図1).中神百合子先生をはじめとする多くの専属スタッフやボランティア,緑豊かな庭,教会(チャペル),24時間許されている面会時間などのよい環境の下で,さまざまなケアや全国でも珍しい音楽療法が行われている.
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