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1.はじめに
理学療法教育システムは,社会経済構造や医療制度の発展段階に対応した形態や機能などによって構成されなければならない.その教育の一部である臨床実習教育はすべての養成校や大学でその最終学年度に実施されている.
4年制大学教育における臨床実習の実施については,各大学において起動し始めたところである.そして,3年制の教育機関とは異なった4年制大学としての臨床実習の目的を明確にして教育課程のなかに具体的に明示し,実践されなければならない.
厚生省管轄3年制各種学校や文部省管轄短期大学,4年制大学における臨床実習の占める割合は,各校により異なっている.4年制大学では,各校によって多少の差はあるものの,8週×2期,あるいは9週×2期または8週×3期が実施されている.大半の学校での臨床実習は2期制をとっている.
現状における理学療法学臨床実習地は,大学病院や総合病院,リハビリテーション病院およびリハビリテーションセンターが大半を占めている.これからの日本に求められている地域リハビリテーションや保健所,老人病院や老人保健施設,福祉・保健さらに地域における在宅医療などの分野での臨床実習までには至っていない.
本大学では,4年次に8週×2期の臨床実習が行われ,その後に4週間の老人・地域理学療法学実習が行われている.また,小児病院や小児施設での実習施設は大変少なくなり,さらに小児の入院や小児施設への入所児の減少により,臨床実習地から除かれる傾向が強くなってきている.そこで,3年次の授業において小児理学療法学のなかで,健常乳幼児,さらに障害を持つ小児との係わりを持つことにより,小児の発育・発達,さらに小児を取り巻く環境について学ぶ機会を設けている.
本稿では,本大学における小児理学療法学実習の授業展開について述べることにする.
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