愛知県立看護短期大学における看護教育の現況
Ⅱ.本学におけるカリキュラムについて—主として看護学学内実習・学外実習の現在に至るまでの経過と一試みおよび考察
高橋 百合子
1
,
常葉 恵子
1
1愛知県立看護短期大学
pp.29-47
発行日 1973年1月25日
Published Date 1973/1/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663906647
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
はじめに
本誌10月号で本学発足当時文部省より認可を受けた時点におけるカリキュラムを,実際に運用して行く段階での数多い難問題については既に記述したとおりである.また本学学則第1条に基づく教育目的も述べたが,カリキュラム構成は本来教育目的を実現し達成するために必要な教育内容を提供する全体の計画であることは言をまたない.したがって教育目的はさらに分析され,目的達成のための具体的な教育活動が目標となる.
カリキュラムの実際の運用は目標達成のために展開されていかなければならないことは周知の事実である.しかし本学においてカリキュラムを具体的により効果的に運用していくには,幾つかの課題を残しているのが実態である.特に学外看護実習を支えている客観的諸条件が整えられているか否かは,看護短大の教育目標を達成させることが可能か,否かにとって重要課題である.前向きの姿勢で少なくとも本学の現在の状態に適応し,実行可能な限界での新しい内容観に立脚して,あくまでも諸条件の枠組み,慣習など,脱皮できるだけ脱皮して,最大限度に与えられた条件を上手にくふう・活用して学習効果を向上させることを目標とし,昭和44年度生より看護実習を試みた実態を報告する.
Copyright © 1973, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.