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特集 痴呆の外来診療
Editorial
痴呆の外来診療
Outpatient Management of Demented Patient
亀山 正邦
1
1住友病院
pp.1060
発行日 1995年12月15日
Published Date 1995/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1414901682
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- Abstract 文献概要
■痴呆の基本症状「記憶障害」,特に,日常の重要な事柄についての記憶をもたないことが特徴である.「物忘れ」を訴える患者は少なくないが,家族や近親者が患者の「物忘れ」や「行動異常」を心配して来院するのが大部分である.内科的な一般診療をしながら,患者の応答を診ることがまず重要である.「今日は何年何月何日ですか」という問いには,答えられないことが多い.見当識の障害は,時,場所,人の順に侵される.日時のように毎日変わるものは覚えにくく,年齢もなかなか出てこない.しかし,生年月日(固定している!)はよく覚えている.指でキツネの形をしてもらう,椅子とか鉛筆の名前・使い方,着衣がうまくできるかどうか,外出すると帰る先がわからなくなるか,道に迷いやすいかなどをチェックする.
日常生活―人と会わない,テレビや新聞に興味がない,料理がうまくできないなど,具体的なことから,かなりの情報が得られる.一方,家族の訴える内容のみにとらわれず,患者自身との対話に心がけるようにする.「おかしい」と気づいてからの経過,症状が日によって動揺するかどうか,夜は眠れるか,午前と午後でどちらが具合がよいか(うつ状態の判定に重要!)1),その他,100円-7円などの簡単な計算の答を聞いてみる.
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