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特集 ショック症状への対応
基本的な考え方
ショック治療の原則と搬送時の留意点
Principles of Treatment and Transport in Shock
安田 和弘
1,2
1巣鴨病院
2救急振興財団救急救命東京研修所
pp.688-692
発行日 1995年8月15日
Published Date 1995/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1414901581
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■循環血液量減少性ショックに陥った重症急性膵炎
患者 26歳,男性,アルコール摂取多量.
来院前日夕方から強い上腹部痛があり,自宅で我漫していた.当日夕方になり,激痛に耐えられなくなり救急車にて搬入.顔面蒼白で冷汗をかき,血圧78/50mmHg,心拍数110/分.腹部CTスキャンにて,後腹膜腔を中心に多量の滲出液を伴った急性膵炎と判断.乳酸加リンゲル液の大量輸液により循環動態安定し,尿量も確保され,急性腎不全を免れた.重症急性膵炎は,膵周囲の滲出液や腹水貯留などによるhypovolemiaが初期病態の中心であるが,外からみてその病態は把握しにくく,診断が遅れがちである.十分な輸液を行うことが,多臓器不全へと進展せぬようにする必要条件である.
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