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特集 ショック症状への対応
基本的な考え方
外傷とショック
Initial Diagnosis of Shock in the Injured Patient
高須 伸克
1
1聖路加国際病院救急部
pp.684-687
発行日 1995年8月15日
Published Date 1995/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1414901580
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出血性ショック
■急性の出血性ショックではヘマトクリット(Hct)値は変化しない
急性の出血では全血が喪失し,赤血球と血漿の比率は変化せず保たれているので,Hct値にはすぐに影響しない.出血が進行してくると組織間液が血管内へシフトされ,Hct値の低下が出現してくるが,これにはおおよそ1時間はかかる.一方,点滴による水分補充療法を開始するとHct値は変化し始める.すなわち急性出血におけるHct値は水分補充療法の影響を示すものであり,血液喪失の有無やその程度を示すものではない(図1).したがって出血量の評価はHct値やヘモグロビン(Hb)値だけで判断せず,血圧,脈拍数や臨床症状を参考にしながら決定しなければならない.
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