和漢診療ケーススタディ 主訴からのアプローチ・4
腰痛
安藤 親男
1
,
後藤 敏
3
,
土佐 寛順
2
,
田中 伸明
2
,
川俣 博嗣
2
,
寺澤 捷年
4
1リバーサイドホスピタル内科
2リバーサイドホスピタル東洋医学センター
3諏訪中央病院整形外科
4富山医科大学和漢診療学教室
pp.929-933
発行日 1994年10月15日
Published Date 1994/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1414901319
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和漢診療の基本的な考え方
■瘀血と水毒
寺澤 漢方の場合には,生体は気(vital energy)・血(赤色の液体)・水(無色の液体)の3つがうまく循環しながら恒常性を保っていると考えます.そして血のめぐりが滞ったのが瘀血(おけつ)という病態で,例えば臍の脇に圧痛点が出てきます.水の滞りというのは,生体の中で水分の吸収と排泄,あるいは今日的にいえば細胞内の水の量,細胞間質の水の量,循環血液量のようなものの中にdisbalanceが生じること.つまりどこかにedemaが起こるとか,あるいは逆に脱水状態になってしまうといったことは水が失調したということで水毒(すいどく)というわけです.
土佐 痛みも漢方では例えば脊髄根のあたりの,目に見えない浮腫のような状態を想定し水毒と考えます.そういうのが良くなる可能性もあるわけです.
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