Japanese
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特集 スポーツ医学を外来で役立てる
Editorial
身体活動,運動,そしてスポーツ医学
Physical Activity, Exercise and Sports Medicine
福井 次矢
1,2
1京都大学総合診療部
2佐賀医科大学総合診療部
pp.393
発行日 1994年5月15日
Published Date 1994/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1414901165
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「常に歩き,常に働くは,養性なるべし.なんぞいたづらに休みをらん.」とは,鴨長明が『方丈記』に記した一文である.それから780年後の現在,身体活動に費やすカロリーが一定以上の者では,冠状動脈疾患,高脂血症,高血圧,肥満,インスリン非依存性糖尿病(NIDDM),骨粗鬆症などの発症率が低く,しかも心理面での健康感が勝ることが証明されている.これらのうち,最も早期に研究対象となった冠状動脈疾患に関して,身体活動が真に有益であることを疫学的手法を用いて最初に証明した研究は,つい最近(40年前)のものである1).以後今日まで,身体活動と疾病に関する知見は分子生物学的レベルから疫学的レベルまで急速に増え続け,generalistが理解することを期待されている事項だけでもかなりの数に上る2).
さて,スポーツ医学(sports medicine)を論ずるに当たって,上記で言うような身体活動(physical activity)と運動(exercise)との概念上の相違点を明確にしておこう.
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