ミニテクニック
小児科診察室での迅速検査―血算とCRP
絹巻 宏
1
1絹巻医院小児科
pp.34
発行日 1994年1月15日
Published Date 1994/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1414901067
- 有料閲覧
- 文献概要
開業小児科医が扱う疾患の約80%は感染症である.生後間もない乳児の発熱や,年長児でも発熱が長引く場合など,炎症の強さをすぐに知りたい時に,血算やCRP,血沈などの検査を診察室で行う.
このうち最も簡単で有用なのはラテックス凝集法によるCRP定性検査である.検査キットさえあれば,耳朶採血の全血1滴で検査できる.2分後の凝集像で(-)(+)(++)を判定するが,CRPの量が多いほど早く凝集するので,凝集開始までの時間も参考にするとよい.そのために普段から陽性の場合に外注検査で定量を行い,例えば凝集開始まで約20秒なら定量で4~8mg/dl,約30秒なら2~4mg/dl,約1分なら約lmg/dlなどと把握しておくと,緊急時に役立つ.なお同じキットでも,ロットにより反応時間が多少違うことがあるので注意する.
Copyright © 1994, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.