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免疫比濁法による血清CRPの迅速定量
尾辻 省悟
1
,
柴田 英昭
2
,
梅田 衛
2
1鹿児島大学医学部附属病院検査部
2日水製薬株式会社研究開発部
pp.1087-1092
発行日 1982年9月15日
Published Date 1982/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542911650
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はじめに
C反応性蛋白(C-reactive protein;CRP)はいわゆる急性反応性血漿蛋白成分の一種であり,種々の炎症性および組織崩壊性疾患に出現する非特異的微量蛋白成分である.近年,高力価抗体の使用と検出方法の進歩によって血漿中の多くの微量蛋白が,定量的に測定できるようになりつつある.ネフェロメトリー1〜4)はその代表例であり,レーザーその他の検出法を用い,血清CRP定量法としても従来のルーチン検査法,例えば毛細管法,ラテックス凝集反応,一元免疫拡散法などに代わって普及しつつある.
一元免疫拡散法は一つの基準法として必須の方法であるが,時間がかかりすぎルーチン検査としては不向きである.ネフェロメトリー1〜4)にもしかし,機器の高価なこと,測定の精度,測定範囲,検体や試薬の前処理の問題などルーチン検査としては難点となる点も多い.そこで簡易迅速に実施でき,特殊な機器を必要とせず,安定かつ良好な定量精度を有し,しかも容易に自動化できることを目的として,新しい血清CRP定量法の開発を行った.
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