特集 血清学的検査—その本質と実際
血しょうタンパク異常
CRP
福田 守道
1
1札医大・がん研内科
pp.1189-1194
発行日 1969年12月1日
Published Date 1969/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542906619
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はじめに
1930年Tillett&Francis1)は肺炎双球菌性肺炎患者の血清に,肺炎双球菌より抽出したC-polysaccharideを加えると沈降物の生じることを見いだし,これをC反応性タンパク(CRP)として報告した.この反応はほかの抗原体反応といくつかの点で相違することが明らかにされている.すなわちCRPは肺炎双球菌感染症のみならず,他の疾患群の血清中にも広く出現し,かつ病気の極期に最も増量し回復とともにすみやかに減少する.またこの反応はCa++を必要とし理化学的性状も他の抗体と相違する.なお正常人血清には全く認められない.血清中のみならず浸出液中にも大量に見いだされる.さらに類似のタンパクはサルをはじめウサギ,その他の哺乳動物の血中にも検出されCRPなどと呼ばれている.
以下まず簡単に本タンパク質の理化学的性状,臨床的意義などにふれ,その検出法,定量法に言及したい.
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